蛇壇

ガルダ

2010年03月15日 23:15

犬の宮、猫の宮のある高安から国道399号に戻りしばらく鳩峰峠を目差して東に向かいます〜

選果場がある小郡山と呼ばれるところに杉木立を囲むように不思議なストーンサークルがあります

通称「蛇壇」です

このストーンサークルは猫の宮の由来の「玉」が噛み殺した大蛇が葬られた場所と言われているんです

その崇りを鎮めるために石で囲われているという言い伝えがあるそうです〜

犬の宮、猫の宮のあとに続く知られざる話でしたー

高畠町民でも知る人は犬の宮、猫の宮までですねー

高畠は他にぼたん姫伝説もありますー

冬咲きぼたん祭でもちらっと言ったぼたん姫ー



ぼたん姫伝説〜


『昔々屋代の里の一本柳の館に、浜田大膳安利という殿様がいました
大層情深い人で里人から親のように慕われていましたが四十をすぎる年になっても子供がありません
殿様は奥方と二人で毎日子供がほしいと話あっていました
ある日奥方が「亀岡の文殊様にお参りすると何でも願いごとが叶うそうですが如何でしょう私達も子供が授かかるように文殊様にお願いしたら」といいました
殿様は「それはよい考えだ早速二人でお参りに行こう」といって二人はお忍びで文殊様へお参りに行きました
殿様と奥方は体を清め食べ物を断って文殊様の奥に篭り七日七夜の間一心不乱に「どうぞ私共によい子供をお授けください」と祈りました
こうして七日目の夜更けの事です二人は疲れの為についうとうとしているとお堂の奥がきらきらと輝き紫の雲がたなびき始めました
ハッ、として見ると紫の雲の中から唐獅子にのった文殊様が現れました
「これこれ浜田大膳お前達は子供のないのを悲しんで七日七夜も願をかけているのは不憫なことじゃお前達はいつも里人を可愛がりよく里を治めているのも見上げた心掛けじゃその日頃の心掛けによりお前達に今子供を授けてやるぞ」といって手に持った満開の牡丹の花で二人の頭を撫でました
殿様は不思議な夢を見たものだと思って傍の奥方を見ると奥方も今夢から覚めたばかりでした奥方は殿様に今見た夢の話をしました不思議な事にそれは殿様が見た夢と同じものだったのです
この事があって間もなく奥方は玉のような女の子を産みました殿様や奥方の喜びはもとより里人まで「殿様にお姫様が生まれた」と喜び合いました
殿様はこの姫に牡丹で撫でられて産まれた子だからといって牡丹姫と名付けました
牡丹姫はその名のように美しくすくすくと育ちました美しいばかりでなく六、七才の頃には大人も及ばない歌を詠み琴をひくようになりました
気立てが優しく情深いので里人からは「お姫様、お姫様」といって慕われました
姫はますます美しくなり十八才になった時大変困ったことが起こりました
それは一本柳の北にある竹の森の館にいる八館という殿様と東の方の二井宿の館にいる志田義次という殿様から同時にぜひ嫁にほしいといってきたのです
竹の森の殿様も二井宿の殿様もどちらも譲りません
「姫や本当に困ったことになりました」殿様は牡丹姫に向かっていいました
「お父様私の事からご心配をおかけして本当にすみませんお父様にお願いがあるのですが」姫は悲しそうにいいました
その様子を見ると殿様はもう何も言う事が出来なくなり「何だね?そなたの言う事なら何でも叶えて上げるよ」と言いました
姫は溜息をついて「私はお父様お母様の所にいるのが一番幸せですでも私がここにいる限りこの屋代の里には争いが絶えませんそれで私は決心いたしました話によると私は亀岡の文殊様から授けられた子だということですが今私が竹の森と二井宿のどちらに嫁にいけばよいのか文殊様にお聞きしそのお教えに従った方がもっともよいと思います」殿様もなるほどと思い早速文殊様にお願いすることになりました
心優しい牡丹姫は里人の難儀を救いたい気持で一杯でした
館の奥の間に引き篭り冷たい水で体を清めて「どうぞ人々を戦いの苦しみからお救い下さいそして私の進む道を教えください」と一心に祈りましたすると何所からともなく紫の雲が流れてきてその中から文殊様が現れました
「心配するな二井宿に行け」といって東の方を指したと思うとたちまち姿を消してしまいました
こうして牡丹姫は二井宿の館の志田義次の嫁になりました
それからは屋代の里も平和になり里人は楽しく働く事が出来るようになりました
この牡丹姫が安然大師と言う偉い坊さんの母だとも伝えられています』

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